【甘党の人へ】甘いお菓子は悪なのか? 甘味(砂糖)との上手な付き合い方

器にのった和菓子、豆大福や栗羊羹

甘い物を食べると罪悪感を持ったり、「悪いことをした!」なんて言う人がいますね。私も甘党です。その遺伝子を私に残した父は真の甘党で、毎日欠かさず食べていました。父は午後の3時頃になると山仕事から帰って来て、茶の間の自分の定位置に座り、お茶と和菓子が出て来るのを待ちます。そしてゆっくりと、お茶とお菓子を楽しむのです。

砂糖の良いところは即効性があり、直ぐに体のエネルギーになるところです。脳内の神経物質に働きかけ精神安定、リラックス効果があり、学習能力向上にも役立ちます。しかし食べ過ぎの良くないことは周知の事実ですね。

WHO(世界保健機関)の砂糖摂取量1日25gまでを推奨しています。なかなか頑張らないと難しい数字です。

あらためて菓子、糖類の食べ方を考えてみる

甘党にとって甘いもの断ちは、人生の楽しみを半減させる行為!

だから無理ですね・・・。
そこで、食べ方や調理にちょっとした工夫をする事で健康を維持しましょう。

砂糖の量を少なくする工夫

例えば、飲み物や、ホットケーキ、パン、お菓子作りなどには砂糖の代わりに蜂蜜や黒砂糖を使う。料理も砂糖の代わりに蜂蜜や黒砂糖、みりんなどを代用する。ジュースも果物のバナナやリンゴで甘さを出し、足らなければ蜂蜜を少し足すなどする。我が家は既にそうしていて、ほとんど料理に砂糖は使いません。

蜂蜜は栄養豊富で砂糖より甘さが強いので少量でよい。黒砂糖もビタミンやミネラルが含まれていて白砂糖よりカロリーも低い。みりんはGI値(食後に上昇する血糖値のスピード)が低いので血糖値の上昇がゆるやかで脂肪がつきにくい。果物もGI値が低く、ビタミンやミネラルが多く健康に良い。

とくに、糖尿病 血糖値の高めの人は黒砂糖を利用すると良いのでは・・・黒砂糖には「フェニルグルコシド」と言う成分が含まれていて、血糖値の急な上昇を抑え腸内の余分な糖を排出してくれる働きがあるそうです。また、さとうきびの表皮の「オクタコサノール」や「「ラフィノース」にはコレステロール中性脂肪を下げる作用が期待できると言われています。1日の目安は40gまでに。
医師に糖分を止められている人は相談してからにしましょう。

また、1歳未満の子供には蜂蜜や黒砂糖を与えないで下さい。ポツリヌス菌が混入している可能性があるので食中毒を防ぐため。

甘いお菓子の上手な食べ方

甘い物はゆっくり食べる糖分をゆっくり吸収すればブドウ糖の吸収もゆっくりとなり急激に血糖値が上がらない。
食べる時間は14~15時が良い。BMAL1と言う脂肪の合成を活発化するタンパク質が一番静かになる時間なのです。反対に21時以降は活発になります。要するに午後の3時前後に食べると脂肪になりにくく、おやつの時間に最適だと言うことです。反対に夜の9時を過ぎての飲食は脂肪がつき易いということになるのです。

夜遅くに食事をする方は、なるべく低カロリーの物を摂りましょう。また食事はしたのに小腹が空いて何か欲しくなったら、牛乳かスープくらいにしましょう。安眠にもつながります。

菓子類 おおよその砂糖使用料
品 目 砂糖使用料
大福(70g) 12g
ケーキ(70 24g
シュークリーム(70g) 8g
プリン(中) 14g
飴1個 3~4g

 小さじ1=ティースプーン1=スティックシュガー1本=砂糖3g 

市販の炭酸飲料やジュース類、スポーツドリンクなどにも糖分の多い物がありますので注意。また、砂糖の入ったコーヒーを何杯も飲むのも良くないですね。

食べることは毎日なので、目安を知り少し考えながら砂糖を使ったり、お菓子を食べたりするだけでも体に良いと思います。

甘い物は食べると良くないのではなく、食べ方や食べ過ぎに気をつけて楽しんで下さい。今日は食べ過ぎたな~と思ったら、お酒を飲む人が休肝日を設けるように、甘党の人も休甘日を設けましょう。

父に休甘日はありませんでしたが、おやつに最適な午後3時に毎日おやつ休憩をしていたのは理にかなっていたし、仕事の合間に母の顔を見ながら一緒にお茶を楽しむひとときは、次の仕事への活力源として必要だったのでしよう。
今ほど食材も豊富な時代ではなく、田舎の質素な食事で過ごす中、90歳近くまで糖尿病にもならず大病もせず、毎日甘い物を楽しみ、長寿を全うした父でした。